パナマ市場 日本企業がパナマ及び中南米市場に進出するメリット・デメリットと、米中関税政策の影響について(2025年最新情報、随時アップデート)


弊社は現地の法律事務所の窓口として、現地マーケティング、現地展示会、PRイベント、パナマの法人登記、パナマ船籍登録、進出コンサルをして20年近くとなりました。
弊社はとにかく現地企業、現地政府の声に重点を置いております。
現地の強い企業との連携・取引に特化しています。つまり、日系企業やJETRO等ともお付き合いのない現地企業との取引が殆どとなります。
2025年に入り、世界の貿易環境は再び不安定さを増しています。特にアメリカのトランプ大統領による新たな関税政策が、各国に大きな影響を与えております。
長年、日本でもヴァンヘーレンの曲でその名前だけは知られていた「パナマ」(実際、同曲のパナマはアメリカ合衆国のパナマであり、中米のパナマではありません)ですが、タックスヘイブンについてのパナマ文書でスキャンダラスに世界的に悪い意味で有名になり、その後、同様のパンドラ文書でもその名が知られました。
トランプ大統領の「パナマを取り戻す」発言により、最近また、世界的に、パナマについての注目が集まっています。
本日(2025年5月2日付)も、赤沢亮正経済再生担当大臣がアメリカを訪れ日本に対する関税の交渉をしたと報道があったところです。
私たちの見方では、ゼロ回答であると考えています。
直接的なものの言い方をすれば、アメリカとしては、「Noと言えない日本」をアメリカのいいように言いくるめ、関税に反対する他国もそれに倣うように見世物にしたいと考えているのではないでしょうか?
日本の企業は、縮小する日本市場への対応と共に、現在のアメリカ市場の対応もこれまでとは比較にならないレベルで考慮し、世界戦略を打ち出し、アクションをとっていくべき時が来ています。
弊社は現地の強い企業との連携・取引に特化しています。つまり、日系企業やJETRO等とも一切付き合いのない現地企業との取引が殆どとなります。
関税引き上げに伴い、日本企業がパナマや中南米市場へ進出することの重要性が高まりつつあります。本記事では、その背景とともに、日本企業にとっての中南米市場進出の利点と注意点について詳しく解説いたします。
米国の関税政策の変化と影響
2025年4月、米国は輸入品に対して基本関税率10%を維持しつつ、50カ国以上に対する報復関税の一時停止措置を発表しました(90日間の猶予期間)。ただし、中国に対しては引き続き145%の高関税が課されており、中国からのiPhoneやメモリチップなど一部製品については一時的な免除措置が発表されましたが、市場には依然として不透明感が漂っております。
カナダや中国はそれぞれ報復関税を発表しており、中国は米国製品に最大125%の関税を課しています。このような状況の中で、ラテンアメリカ諸国は比較的安定した立場にあり、米中の対立から生じる「貿易の再構築」の中で利益を得る可能性があります。
パナマおよび中南米への進出のメリット
1. 地理的優位性と物流の強み
パナマはパナマ運河を中心とする世界的な物流拠点であり、アメリカや南米諸国への再輸出や再梱包などに適した場所です。トランプ前大統領の関税政策により、米国からの直接輸入がコスト高になる中、パナマを経由した貿易が注目されています。現地の商工省によれば、米州の多くの企業がパナマにおいて加工や梱包などの拠点を構築しようとする動きが見られます。
2. 関税回避の戦略的拠点として
パナマは自由貿易地帯(コロン自由貿易地帯など)を有しており、関税の回避やコスト削減の観点からも日本企業にとって有利な場所です。これにより、中国やアジア諸国に比べて輸出入の関税負担を軽減できる可能性があります。
3. 天然資源の供給地としての魅力
ブラジル、ペルー、チリ、アルゼンチンなどの南米諸国は、銅、リチウム、大豆、果物などの重要資源や農産物の輸出拠点となっております。特にチリとアルゼンチンは世界のリチウム供給の32%を担っており、EVバッテリーや再生可能エネルギー産業との連携の可能性も広がっています。
4. 米国との自由貿易協定(FTA)を活用可能
メキシコや中米諸国は米国とUSMCAやCAFTA-DRといった自由貿易協定を締結しており、これを活用することで関税なしに米国市場へアクセスできる可能性があります。日本企業が現地法人を設立し、現地生産することで、米国への輸出においても価格競争力を維持できます。
デメリットとリスク
1. 政治・経済の不安定性
中南米諸国の中には、政治的な不安定さや政策変更の頻度が高い国も存在します。例えば、過去の10年間における投資の停滞や政権交代により、ビジネス環境が急激に変化するリスクが存在します。
2. インフラ整備の遅れとロジスティクス課題
インフラ整備が不十分な国もあり、輸送の遅延や供給網の寸断が発生する可能性があります。ただし、近年は官民連携によるインフラ投資が15%以上増加しており、今後の改善も期待されます。
3. 労働力のスキル格差と現地適応の課題
コスタリカなど、一部の国は高度な人材を有していますが、多くの国では教育・技術水準のバラつきがあります。現地雇用の際には、研修やマネジメント体制の構築が求められます。
なぜ今、中南米なのか?
中国、ベトナム、インドなどが米国の高関税の影響を受ける中、中南米諸国はその隙間を埋める絶好の立場にあります。これらの国々は、比較的低い関税リスクと米国への地理的近接性を活かして、グローバルな供給網の再構築において重要な役割を担う可能性があります。
特にメキシコやホンジュラスなどは、1日〜2日で米国に商品を輸送できる距離にあり、中国や東南アジアからの20〜40日という輸送時間に比べて圧倒的な優位性があります。


日本企業はどのように動けばいいのでしょうか?
では日本企業はどのように動けばいいのでしょうか?
日本企業が中南米市場へ進出する際には、以下のような戦略的アプローチが重要ではないでしょうか?:
FTAを活用した関税最適化
- ローカルパートナーとの連携による現地対応の強化(弊社は現地の強い企業との連携・取引に特化しています。つまり、日系企業やJETRO等とも一切付き合いのない現地企業との取引が殆どです。先日、パナマへの進出を考える企業との打ち合わせの名で、打ち合わせに参加したパナマ企業は、半々の出資でやってみようということになりました。)
- 生産・物流拠点の分散化によるリスクヘッジ
- 農産物・鉱物資源・IT人材の活用
- 中長期的な視点での投資と市場開拓
米中間の関税摩擦により、世界の貿易構造は再編の局面を迎えております。その中で、中南米諸国、特にパナマは、日本企業にとって新たな「貿易戦略の拠点」となり得る可能性を秘めております。短期的な混乱や課題もありますが、長期的には、パナマをはじめとした中南米諸国が持つ地政学的・資源的優位性を活かすことで、大きなビジネスチャンスをつかむことができるでしょう。
繰り返しになりますが、弊社はとにかく現地企業、現地政府の声に重点を置いております。
現地の強い企業との連携・取引に特化しています。つまり、日系企業やJETRO等ともお付き合いのない現地企業との取引が殆どです。
トランプ大統領がいうように、あらゆる意味で、「アメリカは日本を必要としていない」現実があります。これは、現地で強い企業のトップの立ち位置としても全く同じ事が言えます。そんな強い現地企業との取引構築支援やビジネスパートナーとの連携支援を弊社は目指しています。
今こそ、日本企業は中南米との新たな経済関係構築・強化に向けて、一歩を踏み出すタイミングに来ています。
出展:外務省 政府開発援助(ODA)国別データブック 2025 The Conversation
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